不動産特定共同事業

不動産特定事業法は、出資を募って不動産を売買・賃貸し、その収益を分配する事業を行う事業者について、許可等の制度を実施し、業務の適正な運営の確保と投資家の保護を図ることを目的として、平成6年に制定されました。
平成25年法改正により、倒産隔離型スキーム(特例事業)が導入されました。
小規模不動産特定共同事業
平成29年法改正により、小規模不動産特定共同事業が創設されました。
【主な要件の違い】
◇許可制ではなく、登録制
◇投資家の一人当たりの出資額及び投資家からの出資総額がそれぞれ原則100万円、1億円を超えないこと
◇資本金(小規模第1号事業者:1000万円、小規模第2号業者:1000万円)
【小規模第1号事業者】
小規模第1号事業者は、不動産賃貸業や不動産売買業等の他業と小規模第1号事業をオンバランスで行う場合が多くなります。そのため、小規模第1号事業者の他業に係る口座と、小規模不特事業で使用する口座を分ける必要があります。なお、複数の小規模不特事業を行う場合には、小規模不特事業ごとに使用する口座を分ける必要があります。
【小規模特例事業】
小規模特例事業とは、特別目的会社(SPC)を活用した倒産隔離型スキームです。小規模特例事業の特徴は、事業者の行っている他の事業も含めて同一の会社で行う小規模第1号事業とは異なり、別の会社であるSPCを活用して行うため、事業者本体の経営と分離されている点です。そのため、SPCを活用して行う事業は、事業者本体のバランスシートには計上されない取引(オフバランス)になるため、事業者本体の有利子負債の拡大を避けることができるという利点があります。
小規模特例事業は、不特契約に基づき行われる現物不動産の取引に係る業務を小規模第2号事業の登録を受けた者(小規模第2事業者)へ委託し、不特契約の締結の代理・媒介に係る業務を、第4号事業者の許可を受けた者(第4号事業者)へ委託することが必要となります。
不動産クラウドファンディング

平成29年法改正により、クラウドファンディングに対応した環境が整備されました。
クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた造語で、資金を必要とする事業者がインターネットを用いて実現したいプロジェクト等を紹介し、そのプロジェクト等に共感し、賛同した人がインターネットを通じて出資する仕組みのことです。
クラウドファンディングを利用することにより、事業者は、金融機関から十分な額あるいは満足できる条件での借入ができなかったとしても、事業に賛同した不特定多数の投資家から資金調達を行うことで、事業を実現できる可能性があります。
電子取引業務を行う不特事業者については、許可又は登録申請の際に「電子取引業務を行う旨」を申請書に記載することが求められ、電子取引業務を適確に遂行するために必要な体制が整備されていることが必要になります。
なお、既に許可又は登録を受けている不特事業者で電子取引業務を行う者については、変更の許可又は変更の登録を受けることが必要となります。
書面の電子データ等による提供が可能になったことにより、不特事業においてもクラウドファンディングを利用して投資家から出資を集める事業が増えると期待される一方、詐欺的な行為が行われることに対する懸念もあることを踏まえ、電子情報処理組織をする方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものにより、勧誘の相手方に不特契約の締結の申込をさせることは「電子取引業務」と定義され、一定の規制が設けられています。
当事務所サービス
当事務所では、下記のサービスを行います。
【不動産流動化関連】
1.不動産特定共同事業法・小規模不動産特定共同事業法・電子取引業務の認可及び登録申請の代行
2.第二種金融商品取引業登録申請の代行
3.不動産流動化についてのスキーム作成
4.不特事業に関わるレンダー・投資家その他の調整
5.不特事業実施のための各契約書関係の作成
6.不特事業成立後の変更の手続き
7.不特事業成立後の会計処理のサポート
8.その他不動産流動化に関する情報の提供およびサポート
【金融・財務コンサルティング】
1.銀行融資を受けるためのコンサルティング
2.新規銀行取引を行うコンサルティング
3.財務改善コンサルティング
4.銀行取引全般コンサルティング
5.補助金申請コンサルティング
【その他経営コンサルティング】
1.経営革新計画策定支援
2.経営力向上計画策定支援
3.経営改善計画策定支援
4.新規事業に係る事業計画書策定ほか営業支援
5.ほか経営に関する支援